仕事とは違う「前田デザイン室」でのアートディレクション

NASU



株式会社NASU 代表取締役の前田高志です。

 

2018年3月から、クリエイティブを楽しむためのオンラインサロン「前田デザイン室」をはじめました。

 

 

 

前田デザイン室は、今や雑誌に書籍の出版、飲食店街のプロデュースなどなど、アウトプットの数が異常に多いので「元任天堂の前田さん」「NASUの前田さん」より「前田デザイン室の前田さん」と言われることが増えた。これは僕にとってとてもうれしいことです。

 

 

 

僕の会社の名前が株式会社NASU。NASUはデザイン会社で、これからは漫画のコンテンツ制作に移行していく。この4月からはアシスタントデザイナーの吉田が加入。吉田の今後の成長次第で、僕は前田デザイン室や漫画制作に時間を割くことができるようになる。NASUのデザイン業務もますます加速していくでしょう。

 

 

大きな仕事を断ってでも面白いことがしたい、一番の答えが前田デザイン室

 

僕はデザインには自信があるけど、社長としては2年生。

 

正直、社長としての自覚も足りないし、間違った選択をしているかもしれない。昨年秋、某テーマパークから大規模プロジェクトのオファーがあった。デザイン会社の経営として、どう考えてもやったほうがいい仕事。でも僕はこの仕事を断ることにした。

 

 

断った仕事はやりがいも面白さもある。しかも、僕を知っている人からの紹介での指名で、申し訳ないけどお断りさせていただいた。理由は、前田デザイン室での活動時間がなくなるから。この案件は大規模なプロジェクトになるから、ここにがっつり拘束されることになる。それを想像すると僕の答えは「やりたくない!」だった。それと実績を公表できないというのも大きかった。仕事って、NASUの実績として発信すればするほど、面白がって見てくれる人が現れ、また面白い仕事に繋がる。装丁を依頼してくれた板垣雄吾さんとの出会いなんてまさにそう。僕は面白い人と出会って、面白い仕事をするというループを作りたい。

 

 

そのループを作る大事な活動が「前田デザイン室」。面白くて、楽しくて、いいものを作れる場所。仕事とは違う筋肉を使うことで、本業のデザインの仕事に活きてくる。前田デザイン室で楽しんでやっていたことが、僕自身のクリエイターとしての成長に確実につながっている。

 

 

前田デザイン室は、日頃浮かんだアイデアを形にできる、クリエイターストレスから解放してくれた大切な存在。

 

オンラインサロンにもいろいろあるんだけど、僕のサロンはプロジェクト型で学校のように手取り足取り何かを教えることはしていない。だけど、メンバー同士で教え合う仕組みがある。その光景を見ると泣きそうになるくらい感動する。僕もフィードバックやディレクションで積極的にサロンに関わっている。こんなに関わるサロンオーナーは日本一かもしれない。もちろん、僕1人では大したことできないし、みんなにお任せしてる部分も大きい。それによって、僕ではできないことや思いつかなかったことに発見できる。僕にとって、前田デザイン室はかなり大事な場所になっている。

 

(前田デザイン室那須合宿での写真)

 

 

自分で言っちゃうけれど、僕とのプロジェクト体験はハッキリ言って貴重だと思う。任天堂では「よくしたい」という気持ちが強いがゆえ、四方八方からたくさんの人の意見をあびる。自分では気づき得なかったヒントをもらい、デザインが磨かれていく。約15年間、貴重な経験をしてきた。前田デザイン室での僕は、そういういろんな角度の目線でプロジェクトを見ている。あらゆる多角度の視点でフィードバック&ディレクションをしているってこと。オンラインサロンなので、しんどくならないようにはしているけどね。

 

前田デザイン室での僕の役割は、室長としてはもちろん、アートディレクター、クリエイティブディレクターの役割をすることも多い。でもよく考えたら、僕が室長として具体的にどんなことをしているのか発信してこなかった気がする。自分で「これやりました」ってのも手前味噌だし…。ただ「前田さんのディレクションですごくよくなりました」って言っていただけることも多くて、僕もうれしいし、メンバーにとってもいいことだから今回は僕が前田デザイン室で手がけたディレクションの一部をご紹介します。

 

 

 

前田デザイン室でのディレクションを一部公開

 

前田デザイン室メンバーの制作物で、プロジェクトやイベントのものとして世に出ているものは僕が確認し、ディレクションしている。いくつかの事例を紹介してみる。

 

デザインスクール「スイスイ」のデザイン

 

前田デザイン室には「デザインスクールスイスイ」という世界一やさしいイラレ・フォトショの学び場がある。スイミングスクールのように階級式で、イラレの基礎からプロレベルまでの級がある。今年の4月から始めた取り組みで、デザイン上級者の青木佳苗さん、古波蔵まりなさん、水上肇子さんの3人に運営をお願いしている。

 

この「スイスイ」のメインビジュアルを制作してくれたのが、水上さん。最初に提案してくれたのはこうだった。

かわいいし、楽しい雰囲気が出ている。さすが水上さん。ただ、悪くはないけど飛び抜けて良くもない。このプロジェクトを推進する力が弱いと感じた。水上さんは優秀なデザイナーだから空気を読んで置きにいった感じがした。

スイミングスクールのイメージなので、そこがもっと出たらいい。水上さんが過去に作ってくれたデザインで、昭和レトロの世界観のものがあったから、彼女のやりたい彼女の好きなデザインをもっと表現してとお願いした。すると大きく変わった。

 

 

格段によくなった。

ここから僕がオーダーしたのは、以下の点。

  • レトロ感を強くするために彩度を落とす
  • 前田デザイン室の取り組みでわかることを強調
  • ネーミングを「ぐー」から「スイスイ」に変更

 

スイミングスクールのように階級式で進めることは最初から決まっていた。「ぐー」というのは、以前コミュニティ内でトークンを発行する試みがあって、その時の名前。だから、どうしても「ぐー」でないといけない理由はないと判断したので、「スイスイはどうかな?スイスイデザインがうまくなるの意味合いもある」と運営陣と相談して変更してもらった。

 

それを踏まえて水上さんがデザインしてくれたものはこれ。

 

 

インパクトもあるし、ネーミングもコンセプトも筋が通ったビジュアルになった。このネーミングとビジュアルによって、一気にプロジェクが加速した。

デザインスクールスイスイは、いつ入っても受講可能。はっきりいってこれだけでもかなりの価値がある。イラレ・フォトショを実践的に学びたい人におすすめです。

 

 

 

『マエボン』推薦図書コーナーのイラスト

 

デザイナーの田中優里さん。彼女のイラストを知ったきっかけは前田デザイン室の雑誌『マエボン』で、僕のおすすめの本を紹介する推薦図書のコーナーのデザインを担当してくれたとき。

 

(前田デザイン室の雑誌『マエボン』)

 

手書きの温かみがあるイラストを描いてくれて、いいなと感じた。彼女のテイストを活かしつつ、もっとよくするには?マエボンでは、3名のアートディレクターがいて、このページは関戸望さんが担当してくれた。関戸さんのディレクションを踏まえてアップデート。

 

かなりよくなった。ここからは僕がバトンタッチしてディレクションした。僕の絵もじゃみぃ(右の猫、前田デザイン室の飼い猫設定)と同じようにアウトラインをとってもらった。

 

 

「オシボンコーナー」から「オシボン」だけにしてもらいすっきりと。また、オシボンの文字をもっと太くしてメリハリをつけてもらった。

 

 

細かいのだけど、右側のオレンジと緑の本の色のトーンが強いので左側の色味に合わせてもらった。

 

 

文字組が窮屈だったので、何度か調整してゆとりを持たせてもらった。これで完成!

 

 

 

今マエボンの制作のやりとりを振り返ると、実際これよりももっと僕は細かなお願いを何度もしていて、田中さんは、よく食らいついたなと感心している。彼女が描く僕のイラストは、ものすごく評判がいい。温かみがあるからだろうな。これがきっかけで、のちに前田デザイン室公式noteのマガジン「前田が行く」のイラストも描いてもらうことになった。

 

 

 

 

前田デザイン室1周年記念イベントのバナー

 

前田デザイン室 運営チームリーダーでデザイナーのけーらんちゃんこと杉元恵子さん。

 

彼女が運営チームに入ってから、運営チーム案件のデザインをお願いできるようになった。これは今年の3月。僕が大好きな幻冬舎箕輪厚介さんをゲストに迎える前田デザイン室1周年の定例会のイベントバナーを作ってもらった。

 

1周年で節目だから「1周年でめでたいやつがいいな!前デ1周年定例会に箕輪さんがくる!すごい!めでたい!」みたいな感じにしてとオーダーした。最初はこうだった。

 

 

なかなかいい。ただもっとよくなる。「試しに金箔を下に引いて結婚式みたいにしてみてほしい。」とお願いした。

 

 

「僕の写真を箕輪さんのトーンに合わせてほしい。コントラスト強めでY強めにしたらもっと完成度上がりそう。」とオーダー。すると写真だけでなく書体も提案してくれて、寿感が強まった。

 

 

欲が出てきて、さらにオーダー。

 

ここからこの寿の文字の大きさ、角度などディテール調整を何度かしてもらった。僕はこだわりだすと何度もリテイクをお願いしちゃうんだけど、彼女は一貫して「楽しいです」と応えてくれたおかげでどんどんよくなった。

 

これが完成形。

 

 

1周年のイベントとしての寿感、僕が箕輪さんのことが大好きなので結婚式みたいなユーモアもある。このバナーは、出した瞬間からtwitterでものすごい反応がよかった。

 

 

 

 

アートディレクターとしての成長

 

前田デザイン室でのアートディレクションの一部を紹介した。フリーランスになってから、アートディレクターとして活動してきた。

でもぶっちゃけ、前田デザイン室ができてからの方が、僕のディレクションレベルは格段に上がっている。みんなのおかげで僕も成長させてもらっています。それでみんなの成長にも繋がっているとしたら、ハッピーループだよね。

 

そんなわけで、社長なのでNASUとしてのデザインのお仕事もどんどん増やしていきたいのだけど、やっぱり僕は前田デザイン室の活動にこれからもがっつり関わっていきたい。

 

 

これからの前田デザイン室は、去年の秋から仕込んできた大阪の人気飲食店街「ウラサン」こと「お初天神裏参道」のフィナーレ。ガイドブック、WEBサイト、グッズ、歌、LINEスタンプなどなどアウトプット攻めになりそうです。

 

 

去年出した雑誌『マエボン』は、GOOD DESIGN賞に挑戦中です。一次審査を通過し二次審査に向けて準備中。

 

 

あとは「パンティ」。去年うんちの缶バッチを作ってガチャガチャマシンに詰めたんだけど、今年はパンティの缶バッジに決めた!すでにメンバーからのアイデアもたくさんあがってる。

 

 

それから秋に向けて『マエボン』にも掲載している謎パンツ「モザイクパンツ」を商品化します。安心してください。パンティはエロじゃない、アートだよ!

 

 

マスコットキャラクターのじゃみぃのぬいぐるみを作ってもらっていたり、前田デザイン室案内の冊子も作りたい。そうだ、クリスマスには展覧会もするんだ。ある企業からのコラボオファーもいただいている。盛りだくさんすぎるじゃないか、前田デザイン室。前田デザイン室はCAMPFIREという決済のプラットフォームを利用していて、月単位で退会できるので、毎月月初になるとやめた人の分の枠があきます。今月も日付が変わって1日になったらやめた人の分の枠があくはず。

 

 

前田デザイン室に興味がある人

仕事とは違うものづくりをしてみたい人

前田のディレクションを受けたい人

 

 

さあ、クリエイティブを楽しもう。前田デザイン室でおまちしています。

 

 

 

 

 

 

構成・編集:浜田 綾(コトバノ)

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